LLPを設立したのでメリットや費用を一挙解説します

こんにちは、ななうみです。
先日、フリーランスになってから1年となりました。多くの方の支援をいただき、順調に売上を伸ばしています。
事業2年目にあたる今年は、共同事業を行いやすい環境にすることと、節税をめざしてLLPというものを設立しましたので、LLPのメリットや設立方法などを詳しく解説していきます。

LLPとは何か?

はじめに、LLPとは何か?について触れておきましょう。知っている方は読み飛ばしてください。
LLP運用上の疑問を解決したい方はこちらの記事がオススメです。

LLPとはLimited Liability Partnershipの略称で、日本名は有限責任事業組合といいます。
このLLPには、個人、法人問わず参加することができるため、他者と共同事業を行う場合に便利です。
事業組合なので法人格を持つことはできませんが、LLPには設立を検討するに十分な3つの特徴があります。

有限責任

事業の責任が有限になります。
個人事業主の場合は無限責任ですが、LLPになることによって出資額の範囲に責任が限定されるため、もしもの場合のリスクヘッジになります。

内部自治

出資者同士の合意によって組織内部のルールを決めることができます。
これにより「出資比率に関係なく、損益や権限の分配ができる」「取締役会などが存在せず、柔軟な組織運営ができる」ことが特徴と言えます。

構成員課税

LLPは構成員課税という仕組みが適用されます。
通常、株式会社などの場合は法人に対して課税され、その従業員である個人にも課税される二重課税となっています。
LLPの場合は、損益分配した後の構成員に対してのみ課税されるため、二重課税を防ぐことができます。

株式会社の場合は会社も従業員も税金をとられる。LLPは構成員にのみ税金がかかるため二重課税を回避できる

LLPを選択するポイントとは?

個人事業の売上が増えて来ると、事業拡大や節税といった観点から株式会社を作るケースがあります。いわゆる法人成りです。
僕の場合も会社を作るか、LLPを作るかで悩んだのですが結果としてLLPを選択しました。選択基準は「目的にどれだけ合致しているか?」だと思います。表にまとめてみました。

  株式会社 合同会社 LLP(有限責任事業組合)
登録免許税 15万円 6万円 6万円
定款認証料 5万円
印紙代 4万円(電子定款は不要) 4万円(電子定款は不要)
法人格 あり あり なし
責任範囲 有限責任 有限責任 有限責任
内部組織の設計 不自由(会社法による規制) 自由自治 自由自治
利益配分 株主平等の原則などの規制あり 自由自治 自由自治
課税方式 法人課税 法人課税 構成員課税
存続期間 なし なし あり
組織変更 可能 不可能

これらを見てみると一口に組織化といっても、それぞれに良し悪しがあることがわかります。
僕の場合は構成員課税であること、共同事業を行うのに便利な組織体であること、会社法などの制約がないことなどの理由からLLPを選択する形になりました。

どの組織体がいいのかはケースバイケースだと思うので、各自の状況に合わせて判断いただくのが良いでしょう。判断しきれない場合は、税理士に相談するとより良い結果が得られますよ。僕も自分で調べた範囲ではLLPかな?と思っていたものの、税理士の方と相談して決定しました。

LLPの節税効果

LLPが構成員課税であることは先に説明しました。
とは言っても実際にどのくらいの節税効果があるのか、わかりづらいですよね。
そこで、個人事業主とLLPでは手元に残るお金がどの程度変わってくるのか、例を作ってみたので参考にしてみてください。

個人事業の夫婦と、LLPを利用した夫婦の税金差額。手元に残る金額100万円ほど変わってくる。は

例:1200万円の売り上げの夫と、事業をサポートする妻の場合。

表にしてみると、個人事業主の場合とLLPを利用した場合で約24万円も税額が変わってくることがわかります。さらに手元に残る金額としてはLLPの方が100万円ほど多い計算になります。
このくらいの金額が手元に残るようになるのなら、LLPを作る意味も感じられるという気がしませんか?

LLPの設立方法と費用

LLPの設立方法は以下のような流れで行います。
1.組合員がLLP契約する
2.各組合員が契約書に記載した出資金を払い込む
3.事務所の所在地を管轄する法務局で組合契約の登記をする

LLPとしては2番を行った時点で効力を発揮しますが、登記を行うところまでがワンセットになります。
僕は税理士に手続きをお願いしてやってもらいました。LLPの印鑑を作る手配も全てやってくれたので非常に楽でしたよ。定款を作るのも本来であれば苦労するのでしょうが、簡単なフォーマットに書いたら税理士が全て綺麗に整えてくれました。

LLPは期末処理が素人では対応が難しいようなので、設立の手続きを依頼したところに継続してお願いしている状態です。後々利用させてもらえるなら、設立時から顧問してもらっている方がメリットが大きいだろうと判断しました。
設立サポートの金額は、税理士によって前後すると思いますが、僕の場合は諸々の費用込みで10万円程度でした。法務局に行ったりすると、本来の業務にその分手が回せなくなるので、依頼して良かったと思います。

その後の月々顧問料と期末処理は合わせて30万程度の出費となります。
30万円と聞くと大きな額ですが、LLPにすると返ってくる分の金額が大きいので、税理士報酬は必要な出費と言えるでしょう。

難点は、LLPが非常にマイナーな組織のため、対応できる税理士が少ないのが現状です。
僕は今お願いしている税理士より前に、連絡をした税理士が2名いたのですが「対応できない」と言われて契約できませんでした。
身近なところで対応してくれる税理士を探すには「税理士ドットコム」が便利なので、ぜひ利用してみてください。

LLP設立後に対応すること

無事にLLPの設立が完了したら、以下をかならず行いましょう。

銀行口座を作る

LLPを運営して利益を上げるには、LLPの口座が必要です。必ず作りましょう。
難点はLLPが非常にマイナーな組織のため、理解されるのに時間がかかる点です。僕は三菱東京UFJ銀行で口座を作ったのですが、LLPの説明にかなり骨が折れました。

最近は個人口座以外は、口座開設にあたって審査があります。僕は1週間ほど審査を待つことになりました。
最悪の場合、審査が通らないというケースもあるので、事業の実態があるということをきちんと証明できるようにしておきましょう。

個人事業の延長でLLPを設立した場合は、個人事業で結んだ契約書や入金履歴を記載した通帳を持っていくと良いですよ。

既存の顧客とLLPで再契約してもらう

既存の顧客と個人事業主名義で契約していた場合、入金されてもLLPの売り上げとして計上することができません。
そのため、既存顧客との契約をLLPを通して結び直してもらう必要があります。
せっかくLLPを作っても、LLPを通して契約しなければ意味がないため、しっかりと対応するようにしましょう。

まとめ

・LLPは共同事業を行う場合に便利な組織
・構成員課税など、税金面で有利になる恩恵を受けられる
・期末処理は難しいので対応できる税理士を「税理士ドットコム」などで見つけよう
・LLPを設立したら口座作成や再契約などを忘れずに!

ななうみ
LLPを作るのには骨が折れました。
LLPにするか会社を作るかで悩むし、対応できる税理士を探すので苦労するし、LLPの認知度がなさすぎて変な苦労もしました。
でも、これらの苦労を乗り越えてでも手に入れたいメリットがある!と僕は感じるので、LLP設立までがんばってよかった〜という感じです。