角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」読んだ感想②

manga-kadokawa-nihonnorekishi-2以前レビューした角川まんが学習シリーズの4~6巻を読んだので感想です。以前のレビュー記事はこちら「角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」読んだ感想①」。
今回は平安末期からの武士と呼ばれる人たちの進出と発展が描かれています。
貴族の没落や武士の発展、その権力構造の変化に抗うそれぞれの陣営の思惑や葛藤が描かれているところが非常によい。

今回のみどころ

藤原氏、源氏、平氏などの有力氏族の栄枯盛衰が激しく、めまぐるしい時代の変化があるところがみどころとなります。
3巻あたりで出てきていた仏教も、日本の文化の発展に著しい功績のあった宗教でしたが、4巻からは独自の勢力となって武装した僧兵を従えている。
中央でも、地方でも徐々に安定した世の中でなくなっていく中、台頭していく平氏、源氏。そして北条氏、足利氏…
時代の移り変わりの中で、どういった人が頭角を現し、歴史の表舞台へ出て行くのか。そういった人間ドラマもみどころになっています。

平安時代前後の歴史をあまり知らなかった人ほど楽しめる3巻です。
源氏と平氏が元々から敵対していた氏族ではなかったことや、それぞれの氏族の発展の影に見え隠れする天皇家の策謀を見ることができます。
また、武士の確立によって時代の流れが大きく変わり、徐々に戦国、江戸時代へ近づいている事を感じられるところも楽しく見れますよ。

武士の目覚め-平安時代後期-

平安後期、中央や地方の豪族の中で武勇に優れたものが現れ、武士の原型ができあがりました。
中でも、清和天皇から派生した清和源氏の3代目である源頼信は、上総、下総、安房でおきた平忠常の乱を収めて勢力の地盤を固めることに成功。
この清和源氏が、鎌倉幕府を開く源氏となっていきます。

その後、頼義、義家の代をもって院昇殿を許されるほどに功績を認められます。武士にとっては初めての大出世です。
しかし、義家の子である義親は赴任先で年貢の横領。義家の子である義国と義家の弟、義光は常陸国の支配を巡って合戦するありさま。さらには義家自身がこの世を去ったことで源氏の力は一気に衰えてしまいます。
年貢の横領を行っていた義親は捕らえられ隠岐国に流されますが脱出。今度は出雲国で年貢を奪ったり殺人を犯すなど暴れまわるようになっていました。
この暴挙を鎮めたのが平正盛という人物です。
ここから徐々に平氏が栄えていき、子の忠盛の代では内昇殿を武士で初めて許され、その子、清盛の代で平氏の全盛期を迎えることとなります。

いざ、鎌倉-鎌倉時代-

天皇よりも強大な権力を手にして、政治を思うがままに操っていた平氏。
朝廷の重要な役職は平氏に与えられ「平氏にあらずんば人にあらず」という者がでるまでになっていました。

平氏側についていた平氏一族以外の人たちも反感を覚えるようになっていたころ、後白河法皇の第3子である以仁王が平氏に対して反乱を企てます。
しかし、計画は露見し以仁王は「源氏は平氏を討て」という言葉を残して、殺害されてしまいます。
その言葉が多くの人を動かし、源氏の棟梁である源頼朝が挙兵。兄の挙兵に参陣した源義経とともに平氏を滅亡させました。

その後、頼朝は義経を奥州にて奥州藤原氏もろとも倒します。
その過程で全国に守護・地頭を置き、鎌倉幕府を成立させました。
しかし、頼朝が亡くなってからは混乱が相次いだため、頼朝の妻である北条政子の実家である北条家が政権を握って世の中の安定させました。

この時期には、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗など今でもよく聞く宗派が続々と開かれ、仏教がより民衆に親しまれていきました。

こうした中で、大陸からチンギス・ハーン率いる元が攻め寄せてきます。
苦戦する幕府軍でしたが、偶然の嵐によって2度の襲来を退けました。
ですが、防衛戦であったため新たに獲得した土地がなく、従った武士に十分な恩賞を与えられなかったことで鎌倉幕府の力が衰える原因となります。

二つの朝廷-南北朝~室町時代前期-

鎌倉時代後期、多くの武士が困窮する中、北条氏だけが栄えていました。
そんな折、朝廷の復権を試みる後醍醐天皇の働きかけで幕府に対する抵抗勢力が生まれ、朝廷勢力と幕府勢力が争うようになっていました。

足利高氏(尊氏)は最初は幕府側について朝廷勢力と戦っていましたが、反旗を翻し鎌倉幕府を倒し、北条氏を滅亡させました。

鎌倉幕府を倒したのち、後醍醐天皇は権力のほとんどを天皇と公家に集めることで中央集権化をもくろんでいました。
それによって武士の不満は次第に溜まっていき、足利尊氏が天皇を比叡山に追いやるなどの事態になった。
その後、京都を制圧して室町幕府を開きました。

京から逃れた後醍醐天皇は室町幕府をよしとせず、奈良の吉野に南朝を開いたため一時、南北に朝廷がある時期が訪れました。
それも3代将軍足利義満によって統一され、室町幕府の元で天下は落ち着くことになります。
明との交易も進み、港町や門前町が発展していきました。

本日の発見、気づき

歴史の授業では手厚く習わない歴史の経緯が、わかりやすく描かれていてとても勉強になります。
武士、幕府という身分が出てきたことで徐々に、江戸時代につながっていく道筋が見え始めましたね。
それにしても、4巻の藤田香さんのイラストと5巻の表紙の小畑健さんのイラスト綺麗ですね。ついじっくり見てしまいます。
6巻の表紙は藤真拓哉さんだと全く気づかなかった。いつものリリカルなイラストのイメージが強すぎですね。
このシリーズは巻ごとに表紙と中身のイラストレーター、漫画家が異なるのも魅力のひとつですね。普段の印象ががらっとかわって(変わってない人もいる)おもしろいです。
7巻~9巻の感想はこちら「角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」読んだ感想③

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