角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」読んだ感想③

manga-kadokawa-nihonnorekishi-3以前レビューした角川まんが学習シリーズの7~9巻を読んだので感想です。最初のレビュー記事はこちら「角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」読んだ感想①」。前回のレビュー記事はこちら「角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」読んだ感想②」。
今回は室町時代中期~江戸時代前期までの約200年間の話。

今回のみどころ

将軍家の権威・力の低下と地方武士の大名化。そこから戦国時代を経て江戸時代に将軍家の権威の回復までの大きな流れは見ものです。
現代でも通じる、人の振る舞いによるパワーバランスの変化や、問題を解決するためのアイディアが多く詰まった3巻だと思います。
また、戦国時代前半における北条早雲の勇躍や、大内家の繁栄、江戸時代にはいってからの法度の制定や琉球・蝦夷地との関係といった一般的に注目を浴びにくい内容も盛り込まれているので、戦国時代前後の流れをつかむには非常にわかりやすい構成になっています。

宗教的な部分での動きも見どころのひとつ。
前回までで仏教の様々な宗派が生まれたことは触れましたが、今回は外国からキリスト教がもたらされます。
当時の為政者の宗教の捉え方や、どのように利用していったのか、民衆の反応など今までの日本の歴史よりも大きな変化が見て取れます。

戦国大名の登場-室町時代中期~戦国時代-

足利義満によって安定した室町幕府でしたが、中期に入ると全国的な飢饉、流行病の蔓延、土一揆などが起こるようになりました。
その上、5代将軍足利義量の死によって6代将軍はくじ引きで決められることに。
くじ引きで決められた6代将軍足利義教は恐怖政治を行った結果、赤松家の宴会で暗殺(嘉吉の乱)されてしまう。
その子、義勝は幼くして亡くなり弟の義政が8代将軍になるなど、代替りが激しい状態となっていました。

義政は将軍就任当初は積極的に政治を執り行う気概をもっていたが、たった5ページで挫折。
酒宴・茶の湯・生花などにのめり込んでいきました。
その後は将軍職を譲ろうとして後継者争いを引き起こし、応仁の乱が勃発。細川、山名をはじめとした様々な大名を巻き込んで11年におよぶ戦となりました。

その大乱のさなか、将軍職を投げ出した義政は出家して隠居。芸術に明け暮れる毎日を過ごしていました。
そうした振る舞いあってか、将軍としては主だった功績はありませんが文化人としては一流で、銀閣寺や書院造り、明かり障子など日本に多くの影響を残しました。

朝廷、幕府とそれぞれの権威が失墜する中、勢力を伸ばしたのは地方における武士でした。
周防守護の大内政弘は西の京と呼ばれるほどに文化を成熟させ、北条早雲は駿河の今川家臣として活躍、伊豆を制圧すると独立して大名化し小田原を攻略しました。
薩摩の島津家はポルトガルと接触して自軍に鉄砲を装備し、安芸の毛利は厳島で陶晴賢を討って大内家を倒す、甲斐の武田晴信(武田信玄)は父・信虎を追放して家督を相続。越後の長尾景虎(上杉謙信)は周辺大名の要請に応じて武田晴信と対立。
下克上がおき、日本全土が戦乱に包まれようとしていました。

天下統一の戦い-安土桃山時代-

織田信長は幼少の頃、三河の松平元康(徳川家康)と交流があった。
桶狭間の戦いに勝利した後、信長は元康と同名を結び美濃の稲葉山城を攻略。当時の将軍である足利義昭を救援するべく上洛しました。
破竹の勢いで勢力を広げる信長に危機感を抱いた義昭は、各地の大名に打倒信長を訴え信長包囲網を形成して一時は信長を追い込むも、延暦寺を焼き討ち、朝倉、浅井と各個撃破されてしまう。
ついには長篠での武田との戦いに勝利し、周辺に敵なしという状態となりました。

安土城を築城し、もはや天下統一は目の前というところでしたが、京都の本能寺へ滞在している時に家臣の明智光秀の謀反によって討たれました。
その頃、中国地方にて毛利と戦っていた羽柴秀吉は大急ぎで機内へ戻り、山崎にて明智軍を撃退。清州会議の後に柴田勝家と敵対した際には賤ヶ岳にて柴田軍を撃破。
小牧・長久手の戦いでは別働隊として岡崎に向かわせた部隊を家康に撃破されるものの、家康の大義名分であった織田信雄と和睦して戦闘を終了させた。
四国地方、北陸地方を平定した秀吉は着々と天下人の階段を登って行き、家康とも和睦。
九州地方、関東地方、東北地方を従えて天下統一を成し遂げました。

秀吉の元で華やかな文化が開花していきましたが、秀吉は朝鮮への出兵を決行。
拾(豊臣秀頼)が生まれたことで、関白を継がせていた秀次を死に追いやりました。
さらにはキリスト教の弾圧。二度目の朝鮮出兵を行うなど晩年はかなり偏った指示を出していました。

秀吉亡き後は、石田三成が中心となり豊臣政権を支えましたが、徳川家康と対立。
関ヶ原の戦いで石田方西軍と徳川方東軍が戦い、東軍が勝利。
徳川家康が江戸に幕府を開いて長く続く江戸時代へと突入するのでした。

江戸幕府、始動~江戸時代前期-

関が原の戦いでの論功行賞で各大名の加増、減俸、転封を行ったあと、家康は征夷大将軍に任命されました。
家康は江戸に幕府を開くと、2年後には将軍の位を子である、秀忠に譲ります。
これによって、将軍は徳川家が代々受け継ぐということを各大名に魅せつけました。

その後、大阪での2度の戦いで豊臣家を滅ぼし、天下統一を成し遂げると武家諸法度、禁中並公家諸法度、寺院法度を制定し各勢力の力を抑えこむ方策を展開。
秀忠は家康亡き後も各法度を厳守させ、後水尾天皇に娘を入内させるなど朝廷へも影響力を拡大。
家康同様に将軍の位を子、家光に譲り大御所になります。

家光は次々と政策を打ち出し、幕府の体制を固めていきました。
その政策に違反すると身内に対しても容赦はなく、弟である徳川忠長に対しても改易を言い渡しています。
こうした働きによって、各大名は徳川家の政策に従うようになります。

こうした中、島原藩では松倉勝家が虚偽の石高を幕府に申請していたことで、その負担は民に降りかかっていました。
負担に苦しむ民にキリスト教の弾圧に苦しむ浪人や、土豪が加わって反乱を起こします。島原・天草一揆です。
この乱に幕府は想像以上に苦戦しますが、松平信綱の兵糧攻めとオランダの海上砲撃によって鎮圧。
事態を重く見た家光は鎖国へと舵を切っていくことになるのでした。

本日の発見、気づき

今回は、日本の歴史の中でも最も人気の高い時代である室町時代~江戸時代の流れを見ていきました。
様々なメディア、書籍、ゲームなどで記事や作品がある時代なので、知っていることは多かったのですが琉球や蝦夷地との付き合いなどはほとんど知らなかったので概要を知ることができて良かったと思います。
9巻の記事内には書きませんでしたが、歴史の表舞台の流れの後に、商人が主人公となって文化・物流・商業を紹介する話があります。こちらもすごくおすすめです。
10巻~12巻の感想はこちら「角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」読んだ感想④

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