
こんにちは。ななうみ(@nana_u_mi)です。

こんな疑問に対して、今回は
- なぜ資源価格が高くなってきているのか
- その恩恵を受ける高配当銘柄はどこか
ということを解説していきます。
前回は資源価格高騰をテーマに石油関連の銘柄を紹介しましたが、そのアルミ・銅素材版になります。
今回紹介する銘柄も、素材高の影響を受けて株の売却益と高配当のどちらも狙える可能性がある銘柄になりますから、ぜひ最後までご覧ください。

Youtubeにも動画を載せているので、動画で見たい人はこちらからご覧ください(チャンネル登録してくれたら嬉しい!)。
資源価格が上昇している要因
資源価格が上昇している要因は以前の石油関連銘柄でもお伝えした通り
- コロナの影響による需給のバランスが崩れたこと
- それからグリーンインフレーションの影響
この2つが考えられます。
加えて原油の価格が上がっていますから、アルミや銅の採掘の原価・輸送費も上がるということで、より価格上昇の圧力が強いと考えます。
主にグリーンインフレーション周辺で各素材がどんな需要があるかということですが、アルミは自動車向けに2020年には100万トンだった需要が、2025年には120~130万トンの需要に増大する見込みとなっているほか、アルミニウムVISION2050(PDF)という資料でも2050年にはさらに多くの需要があると予測されています。
それから銅は電気自動車が普及することで需要が増大すると言われています。
従来の自動車がEVに変わることで銅の使用量がおよそ4倍くらいになるということです。
要因は半導体の配線やコイルになっているようですから、同様の設備が増えるケースでは銅の需要が伸びるということは覚えておきましょう。
この記事では他にも鉛の需要も伸びそうだよと説明されているので、興味のある方は様々な素材の需要動向を調べてみるとおもしろいかもしれませんね。
価格上昇の背景がわかったところで、気になる2つの銘柄を見ていきましょう。
三井物産(8031)
ひとつ目は三井物産です。
総合商社の名門として有名ですね。
鉄鉱石や原油が強力ということでここ最近の資源高の恩恵を受けられそうですね。
僕が注目したのは三井物産のサイトに掲載さ入れているこの部分になります。
銅、ニッケル、アルミニウムなどの非鉄金属の投資拡大にも注力しており
出典:三井物産
と今後の需要増を見据えて、着実に動いているというのが見て取れると思います。
もちろん、総合商社ですから資源高だけでなく市場環境のさまざまな影響や恩恵を受けると思いますが、事業のポートフォリオが分散していて長期的に安定した事業拡大をできると考えれば高配当投資家とは相性が良い銘柄だと感じています。
利回り

この記事執筆時点での株価2,574.5円となっていて、PBRは0.87倍で割安、配当利回りは3.5%となっています。
現在の配当利回りだけを見ると、やや物足りなさを感じるかもしれませんが慌てずに、業績の方を確認していきましょう。
業績

直近は売上高が順調に上昇しているのがわかると思います。
経常益、EPSともに2019年に過去最高を取ってきていますが、今期の業績予想ではEPSが2019年を大きく超えて過去最高となる見込みになっています。
ここ数年、増配する傾向にありますから現時点での利回りよりも将来的な利回りを期待して買う銘柄という感じですね。
業績も上昇しているんで、期待感を持ちながらゆったり構えていられるのは魅力だと思います。
成長性

成長性を見てみると、2017年以前は結構ボロボロな状態だったのがわかるかなと思います。
ミシンで戦うこれほど大きな企業になると、社内システムがレガシーだったり、小回りが利かなかったり、成長が頭打ちになったりするケースもありますよね。
しかし、2018年以降は力強く成長しているのがわかりますから、社内で大きな変化があったとみて間違いないと思いますね。
収益性

今年は予想ROEも13%超えといい数字を出してきているので、この辺りはかなり好印象ですね。
キャッシュフロー

キャッシュフローを見てみるとフリーキャッシュフローは一時マイナスを出している年もあるものの、投資キャッシュフローが大きく膨れている点から事業拡大に向けた一時的なマイナスだったとみることができます。
それが功を奏したという形だと思いますが、営業キャッシュフローは年々大幅に増加しているので高く評価できそうです。
財務

財務は自己資本比率が今一つ冴えないなぁという印象ですが、剰余金も年々上昇していることから総じていえば大きなリスクはないと感じています。

類似企業と比較してみても際立って悪い数字は確認できませんし、PCFRは4.6倍と割安水準、流動比率も148%ありますから財務は問題ないと判断してよさそうです。
チャート

チャートを見てみましょう。
こちらは週足のチャートになりますが、数年来ずっと上昇し続けていることがわかります。
75週移動平均線、200週移動平均線共に上向きであることから上昇トレンド継続中とみてよさそうですね。
ただ、今の価格帯はリーマンショック直前の高値付近になっているので下がったら押し目買いするか、リーマンショック直前の高値を上に抜けたら買うという形が良いでしょう。
総括
個人的には普段、高配当銘柄は3.75%以上の利回りを求めるのですが、三井物産に関しては機会を見て買いたいなと思えるほど魅力があると感じました。
特に、総合商社というポジションを活かして様々な市況に対して柔軟に対処できるところや、事業の多様性で会社そのもののリスクを分散できているところが魅力に映っています。
買うタイミングはチャートを見つつ窺いたいと思いますが、長期で見れば期待感のある銘柄だと感じています。
日本軽金属ホールディングス(5703)
ふたつ目は日本軽金属ホールディングスになります。

会社としての事業は多岐にわたりますが、アルミ地金から粉末加工したり、板や押出といった製品にしたり、様々な加工品を製造するといったことを行っている会社です。
図にもある通りアルミの総合生産体制を確立しているということで、採掘以外はほぼ全領域をやっていると思っていいと思います。
一部、スクラップやリサイクルからアルミ素材の回収事業も行っているようですね。
製品として流通したものの中から再利用できる資源を抽出できるということで、都市鉱山という言葉がありますが、その意味では採掘事業を行っているともいえるかもしれません。
利回り

記事執筆時点での株価は1,922円、PBRは0.62倍で割安、配当利回りは4.42%となっています。
業績

業績の方は4000億~5000億の間を推移していますが、2020年2021年と最終益、EPSが振るわなかった点を22年予想では大きく回復している点が注目だと思いますね。
昨年はコロナの影響もあって配当性向が100%を超えていましたが、今年は29.2%に抑えられているので無理のない配当額だと思います。
成長性

成長性を見てみるとこのような形になっています。
マイナスの年が多いように感じますが、直近の10年間を見てみると回復基調にあるように思えますね。
収益性

直近2年の収益性は褒められたものではない数値ですが、今期の予想としてはROE、ROAともに大幅に数値が改善しているので評価したいですね。
直近2年よりも以前はROEが10以上ある年が続いていましたから、本来の収益力を取り戻しつつあるとみるのが妥当かもしれません。
キャッシュフロー

キャッシュフローを確認すると、フリーキャッシュフロー、営業キャッシュフロー共に常にプラスで推移していますから大きな問題はなさそうです。
財務

財務の方は自己資本比率があとすこし高くなってほしいという感じでしょうか。
BPSは2021年に10倍近くに上がっていますが、こちらは会計方法が変わったことに起因していると思います。
有利子負債倍率は1倍を切ってますから、借金は少なそうですね。

そしてPCFRは3.2倍と割安水準、流動比率も160%を超えているので財務的には万全とは言えないものの、極端に大きな問題は抱えていないように思います。
チャート

最後にチャートを見てみましょう。
こちらは週足ですが、2020年3月に底値を付けてから上昇トレンドが続いているのがわかります。
ただし今年に入ってから200週移動平均線に上値を抑えられているように見えますね。
上昇トレンドと下降トレンドの、三角持ち合いの状態だと考えられますから購入するとすればこの持ち合いを上に抜けたタイミングが良いと思います。
総括
総括すると、この銘柄は今後数年間のアルミ需要の増加をとらえて、どのくらい事業を伸ばしていけるのかが焦点になると思います。
投資をするとしても業績の動向を見ながら分散投資の一角として、少しだけ保有するのが良いかなと思っております。
チャートのところで触れましたが、今は三角持ち合いの最中ですから、上に行くか下に行くかわからない状態ですのでしばらくは静観しましょう。
動向がわかってから買うのでもまったく遅くはないと考えます。
世界の動きを感じながら株にどう反映されるかをイメージしよう
ということで、アルミ・銅関連の高配当銘柄2つの紹介でした。
世界中で資源価格が高騰しているので、こうしたトレンドにうまく乗りながら
- 高い配当金
- 値上がり益
両方を期待できる銘柄はエントリーしてみるのもおもしろいんじゃないかなと思います。
グリーンインフレーションは今後も断続的に続くと思いますし、引き続き素材価格の変化には注目をしていきたいところですね。
とはいえ、未来は誰にもわいつも言っていますが未来は誰にもわかりませんから、投資する際には自己責任でやっていきましょう。


ということで、今回の解説は終わりたいと思います。
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これからも共に学んでいきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!