
こんにちは。ななうみ(@nana_u_mi)です。

こんな疑問に対して、今回は
- 連続増配株の増配の期待値
- 高配当株の増配の期待値
- 連続増配株と高配当株どっちがいいのか?
ということを解説していきます。
僕自身、どっちがいいのかちゃんと検証したことがなかったので、好奇心を満たすために検証した内容の共有になります。
結論から言うと個人的には高配当銘柄に軍配が上がると感じましたが、どちらも一長一短あるのでどちらに魅力を感じるかは人によって異なるかなという感じですね。
それぞれの株の違いも見ていきますから、ぜひ最後までご覧ください。

Youtubeにも動画を載せているので、動画で見たい人はこちらからご覧ください(チャンネル登録してくれたら嬉しい!)。
検証の前提

今回の検証ではさすがに上場しているすべての銘柄を調べることはできなかったので、今回はZAI ONLINEさんの連続増配株ランキングの記事を参照して連続増配年数の多い、上位20社をベンチマークにしています。

一方、高配当株の方は配当利回り3.75%以上の銘柄の中から、いつも通り僕が高配当株を絞り込む指標を使って絞り込んでいます。

この条件に当てはまった銘柄が15社あったのでこれらを利用して検証していきます。
連続増配株も高配当株もどちらも配当狙いということで、長期ホールドをすることを前提として株価の変化による優劣まではチェックしない形で進めていきます。
なのであくまで、配当金どっちがいいの?って点だけ見ていきますからその点ご了承ください。
連続増配 vs 固定高配当

検証の前提を元に連続増配銘柄の期待値を算出したのがこちらです。
連続増配を開始してからの増配率を連続増配年数で割って、1年あたりの増配率を計算しています。
これらを20社分の中央値を取ったのが、連続増配銘柄の1年あたりの期待増配率になります。
期待増配率は0.61ですね。
現時点での配当利回りの平均値は2.118になります。
こちらの数値が配当利回りを計算する基準利回りって感じですね。
これをシミュレーションに当てはめてみるとこんな感じになります。

左側が連続増配銘柄の配当金シミュレーションで、右側が高配当銘柄の配当金シミュレーションです。
高配当銘柄が増配しない前提だと、利回りは3年目まで、利益額は5年目まで高配当株の方が有利でそれ以降は連続増配銘柄の方が利益になるようですね。
19年目になると配当利回りは5倍以上差がついてますし、複利で得られた金額も2倍近く開きがありますよね。
将来的に利回りが安定して上がっていくというのが連続増配の魅力であり、優位性だということがわかりますよね。
連続増配 vs 期待高配当
でもですよ、高配当株だって増配することもあるじゃないかということで調べてみたのがこちらです。

前提条件のところで出てきた銘柄の配当利回りが3.75%になった年から計算して、連続増配銘柄と同じように期待値を出してみました。
高配当銘柄の中には急に大幅な増配をしたり減配をする銘柄もあったのですが、途中の配当額の変遷はいったん考慮せずに現在の配当金と起点になる年の配当金の差から期待値を出しています。
起点になる年よりも配当金が下がっていれば、増配率が1を切ってるって感じになります。
こうしてみると1年あたりの増配期待値は0.25、配当利回りの平均値は4.33となります。
これを元に連続増配と期待値込みの高配当を比較するとこうなります。

左が連続増配銘柄、右が期待値込みの高配当銘柄となります。
最初に比較した時は利回り5%固定を想定してシミュレーションしましたが、今回は実際の平均利回りである4.33を利用しています。
こうしてみると、基準となる利回りが以前のシミュレーションよりも低いにも関わらず、11年目まで高配当銘柄の方が利回りが高いことが確認できます。
そして、それ以降も総利益は高配当の方が高いという結果になりました。
もちろん個別株では増配しない年もあるし、減配する年もあるのでシミュレーション通りにはいかないかもしれませんが、長期的にも高配当株に優位性がある可能性が示された点は魅力的だと思いますね。
検証結果
以上の結果から、連続配当株と高配当株は以下のような特徴が見えてきます。
- 初速の配当利回りは、自分が望んだ利回りでエントリーできる高配当株が高い
- 高配当株は増配しない年、減配する年があるから銘柄をしっかり調査しないと想定外のリスクを抱えることになる
- 連続増配株は超長期的に見ると総配当益が高配当株よりも高くなる可能性があるが20年以上かかるかもしれない
- 1年あたりの期待増配率は連続増配銘柄の方が高い
- 連続増配株を連続増配株だと見抜くのは難しい
特に最後のは当たり前と言えばあたりまえなんですが、配当利回りが小さい銘柄で増配してない、もしくは増配年数の浅い銘柄を「今後も増配し続ける銘柄」だと判断するのは難しいと感じます。
そして、それだけ難しい判断をかいくぐっても高配当銘柄よりも実を結ぶのが20年以上先になるかもしれないのは知っておいて損はないでしょう。
これらのことから、安定した配当金を出し続けられる銘柄をチェックして、高配当株を購入する方が資産形成においては確度の高い手法なんじゃないかなと思いました。
もちろん、20年以上先に爆発的な配当益を得続けるというのも魅力的であることは事実です。
しかし、個人的には年を取ってから爆益することが、若い時期に安定した資産形成をするよりも魅力的だとは個人的には思いづらいです。
JTのように連続増配株だと思っていたのに、増配をやめてしまうといったケースも考えられるので、連続増配銘柄への投資は思っているよりも難易度の高い投資になると予想しています。
このあたりは価値観や目的によると思うので連続増配銘柄への投資が悪いと言っているわけではありませんから、その点はご承知おきください。
また、今回のシミュレーションでは値上がり益を考慮しませんでしたが、値上がり益も考慮したシミュレーションをするとまた違った見方もできるとは思います。
投資手法の参考のひとつだと思っていただければと思います。
自分に合った投資手法で期待値の高さを極めよう
ということで今回は、配当益を手に入れるという投資手法を連続増配銘柄と高配当株どっちがいいのか?ということを解説してきました。
こうして比べてみて改めて思ったのですが、配当益を手に入れる目的が一緒だったとしても
- 投資対象
- 投資の手法
これが違うと、期待できるリターンや時間軸、リスクなんかが全然違いますよね。
どちらの投資手法が優れているのか、という話ではなくて特徴が違うから各自目的に合う方法を選んでやりましょうということですね。
老後資金が欲しいということであれば、場合によっては連続増配銘柄の方がいい人もいるでしょう。
未来は誰にもわかりませんから、どこに勝ち筋を見つけるのかは自分で判断して自分なりのシナリオで投資に臨んでいきましょう。


ということで、今回の解説は終わりたいと思います。
この記事の内容が、少しでもみなさんの役に立てばうれしいです!
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これからも共に学んでいきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!