【日本株決算】ヤマハ発動機の決算発表!今期も来期も増配!しかも…【高配当】

こんにちは。ななうみ(@nana_u_mi)です。

今日はヤマハ発動機の決算がでましたので解説していきます。

今日の決算は2022年12月期の本決算だったのですが、非常に好調な業績となっていました。
2023年12月期は前期と比べて4%ほど減益する見込みも発表したのですが、為替影響も大きいことが発表内容から分かっていますし、安心して保有していいと判断しております。

投資対象として検討している方はぜひ最後までご覧ください。

Youtubeにも動画を載せているので、動画で見たい人はこちらからご覧ください(チャンネル登録してくれたら嬉しい!)。

ヤマハ発動機

それではさっそく決算内容を確認していきましょう。
今回は本決算になります。

2022年12月期の連結経常利益は前年同期比26.3%増ということで、業績は好調となっております。
合わせて2023年12月期の経常利益の見込みも公表されましたが、こちらは3.9%の減益となる見通しです。

2022年12月期の配当金も増配発表しており、2021年から10円増配の125円となりました。
そして、2023年は130円という発表も合わせて行われており、足元の業績非常に好調であることが窺えます。

2022年の経営総括としては、初の売上高2兆円越えを達成し、営業利益も2000億円を超えたということで数字的に見て非常に好調であるとしています。

需要も堅調、経営方針もハマり、価格転嫁も成功、為替効果も相まってこの結果になりましたということですね。

2023年の展望としては、引き続き各セグメント共に堅調であると予測しておりますが、景気減速懸念があるため金融サービス事業だけは楽観視できない状態となっております。

とはいえ、各セグメントの売上、利益の内訳を見てみるとこんな感じとなっておりまして、金融セグメントの全体に占めるシェアは限定的でもありますので必要以上に深刻になる必要はなさそうに思います。

むしろ景気後退するようであれば金融セグメント以外もダメージを受けるはずですし、それは競合も同条件になりますからヤマハ発動機が投資対象としてどうかというよりも、そもそも投資資金を少し引き上げるかとかもっと大きな視野でとらえる必要があるでしょう。

2022年の要素別営業利益変動要因としてはこのようになっております。

増収効果とコストダウンによって750億ほど収益は上げられたのですが、コストアップや販管費の増加などが響いてトータルではマイナスとなっていました。

為替影響で利益が大幅に増えているので、このおかげで増収増益という形になったと言えそうです。

とはいえ、増収効果の内訳を見てみると、規模拡大もしているようですし、値上げなども効果を得られているようなので本業としては大きな問題はないでしょう。

コストアップと価格改定がもう一巡すれば正常化するように思います。

セグメント別の利益変動要因としては、原材料高騰や物流費高騰の影響を受けてほとんどのセグメントで減益となっております。

二輪車事業はこの中でも増益しており強いですね。
マリン事業は未実現利益を除けば増益とも記載されております。

未実現利益ってなんだ?と思う人もいると思うので軽く説明すると、連結グループ内での取引で得られた利益・損失は、実際には連結グループ内で資産が移動しただけとみなされるため、連結決算においては取り消す必要があります。その取り消す対象となる取引を未実現利益というんですね。

佐藤家のお父さんが子供に肩たたきをしてもらいました、子供にお小遣いを上げました。
事実としてお父さんからは支出があるわけですが、佐藤家として見た場合は資産額変わってないよね。
だからその肩たたきのお小遣いは損益に入れちゃだめよってことですね。

ともあれ、こうしてセグメント事の状況を見るとコストアップなどの影響で結構厳しい1年だったのが、為替影響によって大逆転したんだっていうのがわかるかと思います。
この点だけ伝わればひとまずOKです。

では、2023年はどうなるかというと、増収効果とコストダウンの効果で、コストアップや販管費の増加、為替影響のマイナスまですべて補える想定となっております。

シンプルに強い1年になりそうですね。

ということで、株主還元ですが業績の好調を受けて2022年は10円増配。
2023年はさらに5円増配して130円にする見通しです。

2022年は自己株式の取得200億円も行っていて、総還元性向は35%とまだまだ余裕のある状態です。

2023年は300億円の自社株買いを本日発表しております。
これをもってしても総還元性向は50%行かないという想定ですから、なお余裕があるという感じですね。

ちなみに、300億円の自社株買いの規模感ですが、発行済み株式総数の3.5%ととなっておりまして、それなりにがんばって自社株を買っている水準だと思います。

最近は毎年自社株買いしてますしね。十分な水準じゃないでしょうか。

ということで、動画撮影時点の株価は3375円。
PERは7.1倍と割安。PBRは1.14倍と妥当な水準です。
配当利回りは3.85%ということで、高配当な状態となっております。

自社株買いも進めていますし、引き続き購入していきたい銘柄と言えそうです。

業績の推移はこのようになっていて、売上高は長期で増加傾向となっていて問題ありません。

最終益の方は10年以上前には不安定な感じでしたが、近年は安定して成長しているように感じます。

2022年は売上高からEPSまで過去最高となっていて、今期は売上高、営業益についてはさらに超えてくる予想です。

収益性はこちらのようになっております。
売上営業利益率は9.39%となります。

昨年、一昨年と10%を超えていたのでやや残念なところではありますが、一般的に高利益体質と言われる水準の10%近辺ですので問題はない認識です。

ROEは16%、ROAは7%となっております。
こちらは高めの数値となっていて非常に良いですね。

財務は、直近10年はBPS、自己資本比率、剰余金が増加傾向となっており問題ありません。
それ以前は割とグダグダした感じでしたが、最近の経営状況は良いように思いますね。

どれも問題のある水準ではありませんので安心して買える銘柄かと思います。

適正株価を確認してみます。
過去20年の平均EPSは145円、適正株価は2597円となります。
過去10年間で見てみると平均EPSは253円となり、適正株価は4535円。
過去5年間で見てみると平均EPSは315円となり、適正株価は5631円となります。

先ほどまで業績の推移なんかを見てきた通り、今のヤマハ発動機を評価するには直近10年の業績や財務状態が重要だと考えます。

すると適正株価よりは低いように見えますから割安だと判断できそうです。

剰余金だけで直近配当を何年支払えるかの計算になります。
ヤマハ発動機は21年間、配当金を支払うことが可能なようです。

他のモビリティを作成しているところで自動車メーカー中心に算出していますが、こうしてみるといすゞ自動車と同等くらいの余裕感ですね。
他の企業よりは年数は低い状態です。

とはいえ、15年以上の余裕がありますから問題のある水準ではないと考えております。

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はい、ということで本日はヤマハ発動機の決算内容を確認してきました。

こちらの銘柄は昨年から何度か紹介させていただいている銘柄なのですが、今回も非常にいい決算を出してくれましたね。

今年の業績予想も内訳付きで発表されていたので非常にわかりやすく、納得感があれば投資対象として検討してみても良いと思います。

ということで、本日の情報がみなさんの投資に役立てば幸いです。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスのUIデザイナー。情報設計と構造整理が得意。制作会社の執行役員を経て独立。 現在は技術書執筆やYoutubeで活動中。デザイン、Youtube、株式投資、社会制度の話題が多めです。 拙著「誰でもつくれる!UIデザイン入門」発売中