
こんにちは。ななうみ(@nana_u_mi)です。
今日は本日決算発表がありました富士古河E&Cの決算内容を確認していきます。

ただ、通期は据え置きされているのでそれが達成できるなら業績自体は堅調だと言えますから、そのあたりも含めて見ていきたいと思います。
Youtubeにも動画を載せているので、動画で見たい人はこちらからご覧ください(チャンネル登録してくれたら嬉しい!)。
富士古河E&Cとは?

まずは、軽く同社がどんな事業を行っているのか確認してみましょう。
プラント工事の中堅で空調、建築付帯、情報通信設備など各種工事を手掛ける建築会社となります。
決算内容は?

決算内容としては、第三四半期の連結経常利益が前年同期比25%減少、通期計画に対する進捗率も35%ということで、5年平均の44.8%よりも低いということで苦戦しているような状態です。

通期の業績見通しに変更なしということで、下期の業績はおおよそ昨年と同程度になる見通しです。
通期の業績で見ると最終益は5%弱下がるものの、こちらもおおむね前期と同程度の水準であることが窺えます。
では、第三四半期累計期間は何が厳しかったのかを見ていきましょう。

まず、同社が属する設備工事業界については、資材価格の高騰および納期の長期化が続いていたということですね。
その中でも、データセンターや半導体分野などの設備投資は従来通り堅調に推移したということです。
同社が事業展開をしている東南アジアにおいては、観光関連事業を中心に回復が続きました。
市場環境としてこうだったよということですから、同業他社も同様の状況だったでしょうし、会社特有の要因がなければ利益が圧迫されたのは相対的には大丈夫だと判断できそうです。
受注高は前年同期比33%増、売上高は5.8%増となりましたが、利益面では前述した資材価格の高騰と工事の長期化、それから同社特有の理由として働き方改革の推進やIT関連投資を中心に経費が増加したということですね。
その結果、営業利益24%減、経常利益25%減、最終益は33%減となっています。

ということで、販管費どのくらい増えたんですか?というのをPLを見て確認してみると、約3億円となっています。
働き方改革に伴ったランニングコストがどの程度この中に含まれているのかはわかりませんが、IT機器の導入など一時的な費用もあることを考えると長期にわたって利益を圧迫するような投資はされていないように思いますね。
売上高が前期比で30億ほど上がっていますが、売上原価が35億ほどあがっているところを見ると、今回の利益を圧迫した主要因はやはり原材料費などの高騰だと言えそうです。

セグメント事の状況を見ておきましょう。
電気設備工事業では受注高は26%増、売上高10%増、営業利益12%減となっています。
減少要因としては資材価格高騰、工事期間延長、海外案件の採算悪化となっています。
空調設備工事業では受注高55%増、売上高5%減、営業利益62%減ということで、こちらの方がダメージが大きいですね。
売上高は前期大型案件があったのでそれがなくなったことで下がったということ。営業利益は資材価格高騰、工事期間延長、前期の高採算案件剥落、今期の大型低採算案件が起因しているとのことです。
個人的には、事業をやっていたらこういうこともあるよね~という範囲の変化ではあると思います。
少なくとも、同社がヘマをして窮地になっているというような状況ではありませんから、一定安心して良いのではないでしょうか。

ちなみに、現在は中期経営計画として海外売上比率を徐々に高める方針となっていて、その事業先として東南アジアを選んでいるのは個人的にポイントが高いです。
Youubeでは何度か話をしていますが、人口増加していることと労働者の平均年齢が若いことが理由です。
また資材を運んだりする兼ね合いから、日本からほど近いエリアであることも理にかなっていると思います。
指標を確認しよう

ということで、現在の同社の株価ですが3720円となっています。
PERは7.6倍と割安。PBRも1倍と割安。配当利回りは4%と高配当になっております。

業績の推移はこんな感じで、安定して事業が成長してきているのがわかるかと思います。
配当金も近年は急ピッチで上がっているので今後の上げ幅がどの程度あるのかはやや怪しいものの、配当性向としては40%行かないくらいということで十分余力はある状態です。

過去の業績の修正履歴を見てみると、基本的には上方修正が多く、下がったとしても売上が対象となっていることから、通期の業績見通しもそれなりに確度が高いものなのではないかと考えられます。

収益性は売上営業利益率が8%、ROEが13%、ROAが7%と高めの利益率となっています。
総資産回転率が1倍を超えている点からも売り上げを作るのは上手な企業と言えるでしょう。

キャッシュフローは結構数値ががたがたしていますが、営業キャッシュフローは直近10年を見ると安定してプラスで推移しています。
投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローも直近10年は安定してマイナスとなっています。
この調子で今後も経営してくれるなら問題はなさそうです。

財務はBPS、自己資本比率、剰余金共に増加傾向で問題ありません。
自己資本比率も目安となる40%を超えていますし、有利子負債倍率もかなり小さいので財務面では安心感があると言えます。

適正株価を見てみます。
直近20年の平均EPSは約170円。適正株価は3023円です。
直近10年の平均EPSは約340円。適正株価は6089円となります。
キャッシュフローのところでも直近10年は安定していて、それ以前はがたがただったことを考えると、現在の経営が続くのであれば株価はまだまだ上昇余地がありそうですね。
というか、現在の株価はずいぶんな割安に見えます。

現在の剰余金で、直近の配当総額を何年支払えるのか計算してみると、21年支払い可能ということで十分な余力があるということがわかります。
同社、競合になり得る企業はいろいろあるので住友電設や大成建設、ダイダンなどを引っ張ってきてみましたが、他企業と比べても問題ない水準の剰余金が準備されていると判断できます。

最後に日足のチャートを見てみますが、現在は2020年以降の上昇相場の最中で、特に昨年5月以降上昇の強みが増しているといった状態です。
3890円の水準を上に抜けるのかが目下注目となっています。
もし本日の決算を受けて下がるようなら積極的に買い向かいたい銘柄です。
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ということで本日は富士古河E&Cの決算内容を確認してきました。
通期の見通しが正しければ…という前提は付くものの、投資先としてはひきつづきおもしろみのある企業なのではないかと思います。
ということで、これらの情報がみなさんの投資に役立てば幸いです。


ということで、また次の記事でお会いしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!