フリーランスと会社員で可処分所得に違いはあるのか?

フリーランスと会社員(サラリーマン)で可処分所得(手元に残るお金)はどちらが多いのでしょうか。なんとなく、フリーランスで結構稼いでいる人と、それより少ない年収の会社員では同じぐらいの生活水準というイメージを持つ人も多いと思います。

今回は、そんな可処分所得に関する見解をまとめてみました。

この情報はYoutubeでも紹介しました。
テキストよりも動画でみたいという人は、こちらを参考にしてください。

結論

結論から言えば「状況によって異なる」となりますが、これでは何も説明していないので少し深掘りをしてみましょう。

まず、可処分所得がフリーランスと会社員で違いがあるというのは事実です。
理由は後ほど詳しく解説しますが、社会保険料や適用される各種控除の違いなどから可処分所得の違いが発生します。

また、あまり世間では話題になりませんが、そもそもフリーランスと会社員では可処分所得を得るまでのお金の流れが異なる点も見逃せないポイントとなります。

こうした違いから、可処分所得の差はケースによって出てしまいますが、フリーランスを5年ほどやってきた僕からすると、フリーランスになることで極端に可処分所得が減ってしまうということは体感上ありませんし、過度に機にする必要はないと考えています。

フリーランスと会社員の社会保険料や各種控除の違い

フリーランスと会社員では社会保険料や各種控除に違いがあることは結論の項目で触れましたが、具体的にどのような違いがあるかを解説します。

社会保険料について

社会保険料は「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」の3つがあります。
フリーランスでも会社員でも、これら社会保険料は収める事になりますが大きな違いが2点あります。

会社員は社会保険料の負担額が半額

ひとつは、フリーランスは社会保険料を全額自分で支払わなければならないという事。実は、会社員の場合は会社と折半して支払っています。なので、実質半額しか支払っていないのですね。
同じだけの所得があった場合、単純にフリーランスの方が会社員よりもこの部分の負担が増える事になります。

フリーランスは健康保険と厚生年金保険で不利

ふたつめは、「健康保険」「厚生年金保険」の2つにおいて、フリーランスは不利だといこと。

会社員の場合、会社が入っている保険組合(関東ITソフトウェア健康保険組合など)に加入しています。そのため、保険料も安くサービスが手厚いという特徴があります。

一方フリーランスの場合は、基本的には国民健康保険に入る事になるので健康保険料が高く、国が担保するサービスしか受けることができません。そのため、可処分所得が少なくなりやすいと言えます。

また、厚生年金保険に関しても違いがあります。
日本における年金保険は最大で3階建となっていて、1階は基礎年金、2階は厚生年金、3階は確定拠出年金と言われています。

階が増えるほど、将来もらえる年金額が増えるわけですが、フリーランスは1階のみ。会社員は2階まで加入でき、しかも厚生年金の支払額を会社が半分持ってくれるというわけです。

確定拠出年金については、またどこかの折にまとめたいと思うので、今回の記事では割愛しています。

各種控除の違いについて

フリーランスと会社員では、所得に適用される控除が違います。

例えば、フリーランスであれば青色申告特別控除というものがありますが、これは収入額にかかわらず一律65万円の控除です。
一方会社員は給与所得控除が適用冷ます。給与額にもよりますが最大で220万円の控除が適用されます。

収入が少ないフリーランスであれば、フリーランスの方が控除額が大きくなりますが、収入が増えてくると会社員の方が給与所得控除が大きくなります。
ということで、税引き前の所得が大きいほど、控除の観点では会社員が有利だと言えるでしょう。

可処分所得を算出するまでのフローがフリーランスと会社員では異なる

今まで見てきた内容は、基本的には会社員の方が有利であるというケースが多かったと思います。では、フリーランスはやはり可処分所得が少なくなってしまうのでしょうか?

実は、タイトルにもある通り、フリーランスと会社員では可処分所得を算出するまでのフローが異なります。簡単に説明するとこんな感じ。

フリーランスの場合
(売上 – 経費 – 控除) × 税率 = 純利益(可処分所得)
会社員の場合
(額面給与 – 控除) × 税率 = 手取給与(可処分所得)

となります。

どいういうことか、ピンときた方もいらっしゃるかもしれません。
これはフリーランスの場合、経費を利用することによって税引前の所得を減らすことができるということです。つまり端的に言えば「税金をコントロールすることができる」ということになります。

税金をコントロールするというと、非常に悪どく聞こえるかもしれませんが、もちろん合法の話です。会社員は残った手取り給与から家賃などの生活費を支払いますが、フリーランスの場合は(自宅を作業場としている場合)家賃などの半分は経費となります。

こうして考えると、仮にフリーランスと会社員の可処分所得が同じだった場合、家賃や光熱費といった費用が、フリーランスは半額程度に抑えられることになります。その分、実際に自由に使えるお金というのは増えることになります。

さらに、フリーランスは事業者ですから、経費として機材を購入することがあるかもしれません。そうした場合も、当然経費として落ちますので、支払う税金は下がっていくことになります。会社員の場合は、パソコンを買うにしても可処分所得をやりくりして買うことになりますよね。

このように、可処分所得を算出するフローが異なるので、単純にどちらの可処分所得が多いかという問いに対しては、状況によります。という形になります。

フリーランスと会社員を比較して不利な部分を補う方法

これまで、制度としてフリーランスに有利な部分、会社員に有利な部分を見てきましたが、会社員が有利な部分「社会保険料」や「厚生年金保険」などについて、フリーランスで不利を補う方法があります。

実は、一般的な国民保険の他に、フリーランス(業種によります)が入れる健康保険組合というのがあります。デザイナーの場合は文芸美術国民健康保険などに入ることができ、収入次第ですが一般的な国民保険よりも保険料が安く設定できます。

また、こうした保険は保険料が一律であることも魅力で、収入によって支払額が増減しないため、お金の流れを管理する上でも非常にやりやすくおすすめです。

このように、フリーランスの不利を補う方法はいくつかあって、詳しくは以下の記事で解説していますので、よかったらこちらも読んで見てください。

まとめ

以上、フリーランスと会社員の可処分所得の違いについて解説してきましたが、いかがでしょうか?フリーランスに興味があるけど、手取り額が減ってしまうんじゃないか…という不安から踏み出せなかった人に少しでも希望を与えられれば幸いです。

まとめ
・フリーランスと会社員で可処分所得は違う
・ただし、可処分所得の概念も違う
・フリーランスは税金をコントロールできる