
先日コーエーテクモゲームスから発売した三國志シリーズ最新作「三國志14」を実際にクリアするまで遊んでみたので感想とか評価を書いてみました。
事前にプレイデータ収集版なるものがリリースされ、Youtubeなどでは大きな盛り上がりを見せていた本作ですが、製品版が実際にどのような仕上がりになったのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。
今回は、僕が実際にプレイした感想をもとに三國志14を紹介していきたいと思います。
三國志14とはどんなゲーム?
三國志14はコーエーテクモゲームスが作っている「三國志」という歴史シミュレーションゲームシリーズの14作品目になります。
今作では中華の地形を確認しながら自分の支配地域を広げていくという体験を重要視されて作られています。
過去作品で人気のあった中華全土を1枚のマップで表現したシステムが採用されていたり、全エリアがHEXで区切られており支配勢力の色に塗り替わるなどでその体験を確固たるものにしているのが特徴的といえるでしょう。
中華全土が1枚のマップに

中華全土が1枚のマップになっていることで、まるでGoogleEarthで見ているかのようにリアルな地形を攻略していくことができます。
これに加え、HEXは支配勢力の色で塗られていくので支配の及んだ地域を肌で感じながら政務・軍務を行うことができます。
敵地に進軍する際も、行軍した道程は自勢力の色に塗り替えられ、相手の勢力を侵食している感覚を味わうことができるでしょう。
シリーズ最多、1000名の武将が登場

今作ではシリーズ過去最多となる1000名の武将が登場します。
登場武将が多ければ多いほど、人材難で勢力拡大しづらい弱小勢力にも希望がでてくるでしょう。
後述しますが、今回の武将には「個性」という能力値とは別の特徴が振り分けられています。それゆえに、従来のように同程度の能力で没個性な武将が減っているのも見逃せない特徴となっています。
他にも、三國志14の特徴というべきシステムはいくつもあるのですが、ここからは実際に僕がプレイした感想を踏まえつつ紹介していきます。
三國志14のよかったところ
総評として、僕は三國志14は非常に良い作品だと思っています。
新しい試みがいくつかあって、その完成度も比較的高いと言えると思っています。
そんな三國志14の特によかったと思う点を紹介していきます。
様々な地域が登場

従来よりあった「陳留」や「洛陽」といった拠点のほかに、その拠点を取り巻くように地域が配置してあるのが目新しく良かったと思います。
この地域というのは支配しておくことで拠点の収益を底上げするなどの効果があるため、拠点を落とすだけではなくいかにこうした地域を支配下に置くか、相手の支配下からはがすかといった新しい戦略が生まれたと思います。
また、ゲーム性とは別に僕個人が嬉しかったことなのですが、こうした地域には「官渡」や「白馬」といった重要な戦いで登場するようなものも登場しており、歴史上の戦いがどのような場所で起こったのかをより鮮明に理解できるのがうれしかったです。
武将に個性が追加

武将に個性が追加されたことで、先述したような没個性武将が大幅に減ったように思います。また、この個性はメリットもあればデメリットもあるため、能力値は強いけど個性のせいで使いづらいといった武将も存在するようになりました。
画像は夏侯惇ですが、右側に「癇癪」という特徴があります。
自分の部隊や太守となっている拠点にて「挑発」された時の効果時間が長引くというものですが、こうした超有名武将に対してもデメリットのある個性が充てられているのが面白いところ。
「癇癪」のように何かの効果時間を延長するようなものもあれば、敵部隊が近づいてきたときに勝手に攻撃を開始してしまうような個性があったりと様々。もちろん、メリットのある個性も多数あるので楽しさの幅が大きく増えたと言えるでしょう。
出陣は10日分をまとめて命令

今作は1ターンが10日分となっており、軍務は基本的にその10日分を命令して進行を見守る形となります。それゆえ、画像のように出陣する際はどのルートでどこを目指すのか、中継点はどこか、といったところを指定する必要があります。
進行中は当然敵部隊も行動するので、次に相手がどのように動くかを予想しながら命令を出す必要があり、これがなかなか難しく面白いポイントとなっていると思います。
軍事は兵站が命

軍事行動って兵站が命だということは、歴史好きであれば周知の事実かなと思いますが、ゲームでは今までその兵站がないがしろにされているものが多かったと思います。
今作では行軍時に移動した場所を自勢力の支配地域としながら進みますが、この支配地域のHEXが続いていれば兵站が生きているということになります。逆に言うと、敵勢力の部隊が通ってきた兵站線を切ることで補給をなくし、士気を落とすことができるのが今作の戦闘の特徴といえます。
こうした戦術を駆使することで、寡兵でも有利に戦ったり、有力な武将に対して対抗するといったことができるようになりました。ありそうでなかったシステムなので従来のSLGにない体験ができると思います。
勢力の特徴を決める施政

施政というコマンドでは軍師のほか、戦闘、支援、謀略、内政、人事といった担当官を決めることができます。ここに任命した担当官の特徴によって自制力の特徴が決まってくるのが面白いところ。
なので、同じ曹操軍だったとしても任命する人や任命する領域(戦闘に多くの武将を任命したり、謀略に多くの武将を任命したり)を変えることで、特徴の異なる勢力の動きになるのがよかったと思います。
イベントが明示される

今作は歴史イベントを起こすための条件が明示され、条件を満たした後もそのイベントを実行するかどうか選べるようになりました。
歴史イベントを起こすことで董卓の長安遷都などのように支配地域が変わったり、連環の計では董卓が死亡したりします。こうした歴史イベントは従来であればプレイごとに「発生する」か「発生しない」を選ぶだけでした。
今作ではプレイ中にも発生させるイベントと発生させないイベントを選べるようになったので自由度が上がったといえます。
また条件が明示されるようになったので、まだ見たことのないイベントを見るためにやるべきことが明確になるのも非常にうれしいことですね。
正始政変のシナリオがある

今回の三國志では早期購入特典だったか忘れてしまいましたが、正始政変のシナリオがあります。これは魏から晋が生まれる分岐点になった事件のシナリオで、司馬氏が曹爽を倒し、権力を一手に集中させる出来事でした。
従来は魏の中の出来事だからかシナリオにはなっていなかったと思うのですが、今回は魏とは別に司馬一族の勢力が出来上がっていて三国時代に風穴を開けるようなプレイを楽しむことができるようになっています。
僕はまだこのシナリオはプレイしていませんが、新しいなと思って今後プレイすることを楽しみにしています。
三國志14のいまいちだったところ

ここからは三國志14のいまいちだったところを紹介していきます。先述したように三國志14は完成度も高く、個人的にはよい作品だと思っていますが、当然いまいちだと感じる部分もありました。
購入を検討している人は、参考にしてみてください。
武将提案の副作用と情報不足
武将提案という武将が金を消費して追加で内政をしたり、計略をしたりしてくれるコマンドがあるのですが、この効果が「お金のわりに大したことない」のと「内政担当官だった場合本業の内政効果が落ちる」のが残念に思っています。
資金を追加で渡しているので、それなりの効果を発揮してほしいという思いとともに、追加提案してくれたことを実行させると本来の業務に支障をきたすというのはなんかなぁ…という印象がありました。
また、上記のような仕様でありながら提案の画面では各武将が内政担当しているかどうかすらわからないというのは、地味にストレスですね。
内政担当官の効果減少
前述したとおり、内政担当官が他の業務「登用」とか「出陣」とかすると内政の効果が減少するのが地味に辛いですね。内政以外に仕事をしているんだから当然といえば当然なのですが、今作では拠点以外に地域を内省する必要があり、結構な人数がそれに割り当てられるので、人材不足になりがちでした。
ゲーム性とリアルさのバランスが難しいところですが、なんとなくプレイしていて悩ましく思っていました。
探索経済
今作の一番嫌な部分だと思うのですが、探索というコマンドがあります。
これは、地域を調べて在野武将を探したり、書物や宝物を見つけるといったコマンドなのですが、この探索でお金が見つかることがあります。このお金が結構な量もらえてしまうので、極端なことを言えば探索をしているだけで勢力の経済が回るようになってしまいます。
内政の意味が地味に棄損してしまうので、この点のバランスは改善できるならしてほしいなと思っています。
障害物が硬い
マップ上に障害物を置けるのですが、石壁などの障害物が硬すぎて一度設置すると破壊するにも撤去するにも大量に時間(ターン数)がかかってしまう点が気になりました。
もう少し、耐久力が低くてもいいんじゃないかなぁ…という感じ。
攻略に多くの時間が必要
今作はかなり広いマップで地形も従来の1枚マップと比べると詳細に詰めてあるので、その分攻略には多くの時間が必要でした。
僕が軍事行動にやや消極的ということもありますが、従来の三國志と比較してもかなりクリアまで時間がかかったなという印象です。
まとめ
ということで、三國志14をクリアした感想ということで特徴からよかった点、いまいちだった点を見てきました。いかがでしたでしょうか。
何度も言っている通り、今作は僕の中では三國志としてはかなり評価が高い方になります。それだけコンセプトをしっかりたてて、遊びの焦点を突き詰められているということだと思いますが、この点が面白いと感じるかどうかは人によるところ。
ということで、購入を検討している人に上記の内容が参考になれば嬉しいです。
いまいちだったところは今後のアップデートで解消(バランス調整)される可能性もあるので、そういった点は楽しみに待ちたいところですね。