貯金はノーリスク?投資をしてなくても実はリスクに巻き込まれていることを知ろう

貯金はノーリスク?正しく理解して未来に備えよう

こんにちは。ななうみ(@nana_u_mi)です。

研修生
投資はリスクがあって怖いけど、貯金はお金が減らないから安心ですよね~☆

今回はこんな風に思っている人に向けた記事です。

貯金はお金が減らないから安心と思っている人は結構多いんじゃないかと思いますが、実はこれ半分正解で半分間違いです。

お金が減らないというのは正解ですが、安心って部分は間違いなんですよね。

研修生
いやいや、貯金は元本が保証されているんだから、減らない以上リスクはないから安心ってことじゃないんですか?

こう思いたくなる気持ちもわかりますが、そうではないんだよということを詳しく解説していきたいと思います。

今の日本の預金ではインフレに対応できない

結論から言ってしまえば、安心ではないとする論拠はインフレに対応できないからということになります。

インフレとは、ざっくりいうと物の値段が上がる(お金の価値が下がる)ことを言います。

例えば、

  • 100円で売っていたりんごが、1年後に120円になったとします。
  • 銀行に預けていた貯金が100円だったとして、1年後に120円になるでしょうか?

1年後に貯金が120円になっていれば問題ありませんが、実際には100円の貯金は100円のままです。

今の銀行の利息が年利0.001%だからですね。

この場合、預金額は減ってないけどリンゴを買える量は減っていますよね。

つまり、相対的に見るとお金が目減りしていると言い換えることができます。

先輩博士
お金は絶対的な数値で見るのではなく、相対的な価値の比較で見れるようになろう。なぜなら、お金はモノや体験に交換して初めて意味があるので、出口である商品やサービスの価格抜きでは語れないんだ。

でもこんなことを思う人もいるかもしれません。

研修生
なるほど~
でも、そうはいってもインフレって実際に起こるんですか?教科書的にはよく聞く単語ですけど、実際にモノの値段があがるなんて実感ないですね~

ってね。今の日本人は多くの人がこの感覚を持っているんじゃないでしょうか。

日本は長期にわたってインフレしていないので当然の感覚だと思います。

でも、実感があるかどうかにかかわらず、インフレというのは確実に存在しているので、対策をしないのは将来に蓋をするようなものなんです。

インフレって本当にあるの?

さて、ここで有用な資料があるので紹介します。

日本銀行が公開している「昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?」という資料です。

表だとわかりづらいので、グラフに起こしたのがこちらです。

1990年から2020年までのおよそ30年間は物価がほぼ変わっていないことがわかると思います。

しかし、このグラフの左側、1960年からの30年間はどうでしょう?

急激に物価が上昇している期間がありますね。

50だった物価が100を超えているので、短期間で物価が2倍になったことになります。

研修生
物価が2倍…!?
じゃあ、収入の50%以下で暮らしてた人以外は、全員生活できなくなっちゃいますね…!

これは、仮にこれから同様のインフレが起こった場合、今100万円貯金していたとしても、インフレが起こった後には100万円の価値はなくなってしまうということでもあります。

研修生
でも逆に、昔の話でしょ?って気もします。
これからはこうした極端な例は抑えられて、上手に管理されていくんじゃないですか?

そう思いたい気持ちもわかりますが、直近15年をみてみてください。

緩やかに上昇しているのがわかると思います。

僕と同じ30代中盤の年齢の人なら

  • 学生時代と違って最近は外食の値段が上がってる気がするな
  • 500円以下で食べられるラーメンってほとんど見なくなったよね

なんて思っている人もいるかもしれません。

1980年から25年間はデフレ(物価が下がる)基調だったのですが、直近の15年はデフレが終わりインフレ基調になったと言えるでしょう。

そして、2013年以降は日本銀行が「年2%のインフレを目標」に定めて施策を展開しているので、今後もインフレは継続する可能性が高いと思います。

先輩博士
海外の状況もここでさらっと見ておこう。

海外旅行などで、食事代がすごく高いと感じたことはありませんか?

アメリカを例に出せば、以下のグラフのように毎年のインフレ率が日本とは全然違うことがわかります。

出展:世界経済のネタ帳

アメリカではインフレ率が0を下回ることがほとんどないのに対して、日本は何年か下回っていますね。

それに、ほとんどの年で日本の方がインフレ率が小さいです。

つまり、日本で100万円貯金してアメリカに旅行したとしても、アメリカでは100万円分楽しめないよってことです(話をシンプルにするために為替の影響はいったん考えずに書いてます)。

日本でだけ暮らしていると実感しにくいことですが、こうして海外と比較すると相対的に貧乏になっていっているのがわかると思います。

研修生
ええぇ???なんだか世知辛いです…一生懸命働いているのに。

インフレを考慮せずに額面だけ気にしているのは危ない

インフレが実感できなかったとしても常に付きまとうリスクであることは、納得できたのではないでしょうか。

インフレを考慮せずに、額面だけ見て減ってないから安全と思いこむことは、資産を守る点から言えば危険なことなんです。

先輩博士
夏場に口の空いた牛乳パックを放置していて「量が減ってないから大丈夫」って言っているようなものだ。飲めなくなったら意味がないぞ。
  • 日本でインフレが発生すれば資産価値は目減りする
  • 海外と比較して資産価値が減っていれば、日本でインフレが起きていなくても実際には目減りしている

という2つのポイントは押さえておきたいところですね。

大切なのは額面ではなく価値です。

持っている資産の価値が減らないように対策をするのとしないのとでは、10数年後の明暗を分けると言っても過言ではないでしょう。

額面は減らなくても価値が減る可能性はある。

このことに目をつむり、見ないふりをするのはそれこそリスクだと思います。

研修生
結局、安全だと思っていた預金もリスクがあるということなんですね。どうしたらいいのかな?

リスクを分散して将来に備えよう

投資はリスクがある、預金もリスクがある、それならどうしたらいいんだ?

と思うかもしれませんが、答えは意外と簡単です。

リスクを分散して、コントロールすることです。

たとえば

  • 株式投資を行って現金以外の資産を保有する
  • 金などの現物資産を購入する
  • 上記以外に現金もちゃんと貯金しておく

上記のようにいくつかの資産に分散しておくだけで、

  • 株や金などの資産が、インフレ時に値上がりして資産が大幅に減るのを防いだり
  • 現金を用意しておくことでデフレ時に資産が大幅に減るのを防いだり

といった対策になります。

株しか持ってません。とか、現金しか持ってません。

というのは、それが有利な未来が確実に訪れるなら最善手になりますが、未来は誰にもわからないので様々なリスクに備えておくのが最も賢明だと思います。

価格が変動する資産なんて怖い、持ちたくない!

という気持ちがわからないわけではないですが、価格が変動するからこそ、インフレ時に価格が上昇して資産を守ってくれたりするんです。

この点は無視できない事実でしょう。

  • 日々値動きする資産を持つ事で、値崩れするリスクを負うか
  • 資産額が増減しない資産を持つ事で、価値崩れするリスクを負うか

この違いでしかありません。

そして、どちらもリスクがある以上分散して将来に備えるのが良いと思います。

先輩博士
経済の中で生きている以上、どうやっても経済的なリスクにはさらされるんだ。自分が何もしてないつもりでも、すでに巻き込まれているということは自覚しておいた方がいい。

ちなみに、株も金も、長期的には右肩上がりで価格を上昇させているので、過度に悲観することなく買い向かっていいんじゃないかなと個人的には考えています。

ということで、今回の解説は終わりたいと思います。

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最後まで読んでいただきありがとうございましたー!またねー!

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスのUIデザイナー。情報設計と構造整理が得意。制作会社の執行役員を経て独立。 現在は技術書執筆やYoutubeで活動中。デザイン、Youtube、株式投資、社会制度の話題が多めです。 拙著「誰でもつくれる!UIデザイン入門」発売中